アロマテラピーの仕事を目指すあなたに②/ 「アロマテラピーの仕事は体力がいるの?」の質問にリアルに答えます。
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アロマの仕事は様々なものがありますが
その中でアロマオイルを利用して
お客様にオイルトリートメントを提供する仕事を
目指されている方も多いと思います。
お店で働いている方なら、実際の仕事が
イメージできるので問題ないと思いますが
これから勉強したい、という方は
アロマテラピーの仕事がどのようなものか
イメージがつかなくて
スタートを切っていいかどうか
迷っているかたも多いと思います。
未経験からスクールなどに通って
自宅でのサロンをスタートさせてたいかたも
多いと思いますので、ご参考になればと思います。
◇アロマの施術、アロママッサージは体力がいるのか?
かなり多いのがこのご質問です。
アロマが好き、自宅で良く利用している
という方も
実際に仕事としてアロママッサージ、トリートメントをするとなると
体力が必要なのかと不安になってしまうと思います。
◇体力は必要・精神力も必要
結論から言ってしまうと、体力は必要です。
私の場合、特にロングコースをお勧めすることが多いので
100分から120分の施術が普通です。
そのコースを一日に最大4名様施術をします。
その時間の間、すべての神経を集中し
時には力も入れてお客様の身体に直接触れる訳ですから
単純に体力の消費はご想像の通りです。
当然ながら100分や120分の施術中に
休憩を入れたり、トイレにいくことも基本的には
出来ません。
◇指圧系よりも体力を使う
ゴリゴリと刺激するマッサージよりもソフトなタッチの
アロママッサージが体力を使わなそうに
見えますが、これも違います。
マッサージで力を入れて刺激するときは
経験を積んで、コツを覚えると
自重圧といって自分の重さを上手く使って
リラックスしてしっかりとした刺激を患者さんに伝えます。
これはマッサージに必須な技術です。
自重圧の乗っていない技術だと
患者さんも無理な刺激と緊張が伝わって
リラックス出来ないですし
なにより施術する側があっという間に疲れて
パフォーマンスが低下していまいます。
裏を返すと通常のマッサージ系は
経験を積むと、技術の上達とともに体力のコントロールが
かなり出来るようになります。
ただアロママッサージは違ってきます。
アロママッサージ、トリートメントの基本は
エルフラージュと呼ばれる繰り返しのストロークで
お客様の身体の上を何度も何度も行き来する動きになります。
これに先ほどの圧をかける行動が加わりますので
大きな体力を消費します。
腰に負担もかけます。
もちろん技術向上によりある程度自分に負荷を
かけないことも出来ますが
オイルマッサージがソフトそうだから
体力を使わないということは全くないのです。
(結構ベテランのセラピストでもオイルは疲れるので
やらないという方は多くいます)
◇さらに問題なのは体力に加えて、精神力
アロマが問題なのはそれに加えて直接
肌に触れるハンドトリートメントだということです。
洋服の上からのマッサージなどでももちろん
繊細なタッチを要求されますが
直接肌に触れるハンドトリートメントは
本当に微細な感覚を要求されます。
加えてオイルの濃度や香りのバランス
お客様は裸に近いので部屋の室温や音響のバランスなど
セラピストが神経を渡らせる範囲は
非常に多岐に渡ります。
患部により微細な力加減を要求されます。
むしろ施術中は、自分が力を使って
体力を消費しているとか疲れたとかは
感じないと思います。
それほどに神経と精神力を使います。
施術が終わると、その疲労はかなりの反動として
やってきます。
◇サロンワークは施術だけではない
加えてサロンでの仕事となると
お客様へのトリートメント施術だけではありません。
自宅サロンを開くとしても
オイルトリートメントはかなり部屋を汚しますので
清掃、洗濯など、かなりの作業が発生します。
もちろん、サロン運営には集客や経理など
事務的な仕事も多くあることも忘れてはいけません。
◇体力、気力は使う、だけど・・。
では体力に自信の無い方は全く出来ないのか
というと、そんなことはありません。
私は男性ですが、特に体力が人より優れて
いる訳でもありません。
むしろ、ヘアデザイナー時代に身体を壊し
体力に自信をなくしてこの世界に関心を持ったので
体力面の不安がありました。
でも今、元気に続けられています。
また多くの、しかも年齢的にも
ベテランの女性セラピストが多く活躍しています。
何故かというと、体力、気力は非常に使うのですが
それを補うものがあるからです。
◇やりがい
ひとつめは月並みですがやりがいです。
心をこめてトリートメントしたお客様が
元気になり、またサロンに帰って来て下さると
とても大きな喜びになります。
だから、体力も気力も消費をしますが
つらいと感じなくなります。
むしろ、自分のエネルギーを費やした分
相手が元気になっていただけると思うと
日々の疲れも快感に変わっていきます。
人間は不思議なものです。
同じ重労働でも、それが意味のあることだと
解ると、それほど疲れを感じなくなります。
疲れても、それが喜びになり、やめられなくなるのです。
◇お客さまからエネルギーをいただく
この仕事をしていると不思議なことに
気付きます。
一生懸命お客様を元気にしようと頑張っていると
自分もエネルギーをいただけるのです。
タイ式マッサージでは、施術は「二人でするヨガ」
と言いますが、まさにそのとおりです。
制術する側とされる側、二人の呼吸があって
究極のリラックス状態に入ると
一種の瞑想状態のようになり
とても高い次元でのリラックスを
二人ともが感じることが出来ます。
あえてスピチュアルなことには
ここでは触れませんが
いわゆる高い次元のリラックス状態は
体力気力の回復、ストレスの緩和など
施術する側にもされる側にも
大きなメリットをもたらします。
◇結論
上記のようなメリットは確かにあります。
しかし、当然ながら、好きでないのに
この仕事をしていたり、義務感でしていたのでは
そんな喜びは感じられず、疲労感だけをもたらすことに
なります。
体力・気力はかなり必要、しかし・・
それだけ打ち込んだものをまた返して
いただける仕事です。
ポイントは、仕事であることを
忘れられるぐらい、人を癒したいと思えるかどうかです。
人に尽くすことが喜びなら
この仕事をして心地よい疲労感は感じても
辞めたいとは思わないでしょう。
それは、年齢は関係ありません。
足腰が立つなら、いくつでも出来ます。
本当に人を癒したいなら
勇気を持って飛び込んでください。
この仕事が続くかどうかの分かれ目は
年齢、性別、体力ではありません。
すべて情熱で決定されます。
奥山
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